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月にかかる赤い橋のようにそびえ立つシンボルに


自由と希望を求め


若者達は吸い寄せられ


何もなかったと帰っていく者


憧れた夢にやぶれる者


未だ何かあるはずとしがみついて離れぬ者


その全ての者を遥か上空から見下ろす


僕はいつまで此処でこうしているのだろう



田舎に帰ればあんなに大きかったはずの


通っていた学校の校舎が小さく感じ


シャッターが増えた町は寂れていく一方


僕を一人で育ててくれた人も随分と小さくなってしまった



若者達が憧れた


大都会のシンボルだった赤いタワーも


今では役目を青いツリーに取って代わられ


随分と小さくなったと思うようになった


僕はいつまで此処でこうしているのだろう


欠けた月と赤いタワーのある夜空に呟いた




誰にでもあったはずの未来が


今では誰もが過去になって



誰にでもあったはずの夢は


そんな頃もあったなと振り返るだけのものになる



抗ってたはずの社会の色に


みんな上手に染まってく



ただ有り余るだけのエネルギーを


無駄に消費し続け、空回る



まだまだだと思っていたのに


卒業は訪れ、あとは自分でやれよと放り出される



初恋の人の顔もぼんやりとしか思い出せなくなり


有り余ってた時間もどうやって過ごしたのかも今ではわからない



ただ、全力で走ってた気はする


息を切らせながら、足をもつらせながら


転んでも、疲れて休んでも


終わりまで走り続けてた気はする



結局何も残らなかったけど


あの頃はただ全力で走ることしか知らなかったから


ゴールはまだ果てしなく遠く、辿り着く自信もない






ああ、君も僕をそんな目で見るんだね

ああ、君もそっち側の生き物なんだね




別に君が悪い訳じゃない、誰が悪い訳じゃない

少しでも信用した僕が悪かっただけ




被害者は少ない方がいいからね

痛いのはいいけど、苦しいのは辛いよ




別に大人が悪い訳じゃない、社会が悪い訳じゃない

少しでも期待した僕が悪かっただけ




ああ、君が僕をそんな目で見るのは

ああ、君が痛い目をみない為には正解なんだよ




いつからだったけ、いつからっだったけ

僕はいつからそんな目で見られるようになったんだっけ




誰だっけ、誰だっけ


僕をそんな目で見る君は誰だっけ





消したい過去も 未来のない現実も

痛みと傷はずっと残したままで




明日もきっと 最低な生活を

繰り返すだけで きっと精一杯です




やまない雨も ずっと続く耳鳴りも

やっかいなだけで やっと忘れられると思ったのに


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