月にかかる赤い橋のようにそびえ立つシンボルに
自由と希望を求め
若者達は吸い寄せられ
何もなかったと帰っていく者
憧れた夢にやぶれる者
未だ何かあるはずとしがみついて離れぬ者
その全ての者を遥か上空から見下ろす
僕はいつまで此処でこうしているのだろう
田舎に帰ればあんなに大きかったはずの
通っていた学校の校舎が小さく感じ
シャッターが増えた町は寂れていく一方
僕を一人で育ててくれた人も随分と小さくなってしまった
若者達が憧れた
大都会のシンボルだった赤いタワーも
今では役目を青いツリーに取って代わられ
随分と小さくなったと思うようになった
僕はいつまで此処でこうしているのだろう
欠けた月と赤いタワーのある夜空に呟いた